Q&A

よくある質問Q&A

よくある質問Q&A

TAB1 TAB2 TAB3 タブ1の内容 タブ1のコンテンツが表示されます。クリックで他のタブに切り替わります。 タブ2の内容 タブ2のコンテンツです。フェードイン/アウトのアニメーション付きです。 タブ3の内容 タブ3のコンテンツになります。シンプルで使いやすいデザインです。   Q.山田さんのはちみつは「純粋」「天然」ですか? A.原材料名の表記に「はちみつ(産地)」だけ記載してあるものはすべて純粋であり天然です。弊社のはちみつは加工品以外、国産、海外産含め「純粋」であり「天然」です。創業時より変わりません。 また行政が定めた表示制度では「はちみつ」以外の原材料、添加物を使用した場合、それら詳細の記載が必要になります。弊社はそれに準じた表示(原料原産地表示)を行っており、原材料名は「はちみつ」とだけ。よって名称も「はちみつ」だけです。もとより、はちみつは「純粋」で「天然」なので特に枕詞はつけておりません。  (過去に全国はちみつ公正取引協議会の管轄において、はちみつを使った多様の加工製品を流通させるにあたり、はちみつ類の表示に関する公正競争規約のもと、はちみつ製品の定義(名称の分類)が設けられました。現在、規約の定義が変わりましたが「純粋」という言葉は定義ではなく、商品名として形容表現に近いです。ちなみに一般社団法人日本養蜂協会では「天然」がこれにあたります。   Q.白い沈殿物はカビでしょうか? A.はちみつが結晶したものです。白い沈殿物はカビではありません。もちろん食べても大丈夫です。  主成分の一つブドウ糖には結晶化する性質があります。日数の経過で進行します。容器の底部に沈んだ結晶は、徐々に容器全体に広がっていきます。またカビは性質上はちみつ内部には発生しません。 詳しくはコチラ 詳しくはコチラ   Q.はちみつの表面や容器の淵で白く浮いているものはなに? A.はちみつをろ過した際にできる細かい気泡が、瓶詰した後に層となって見えるものです。瓶詰めすると時間の経過ではちみつの表面に浮いてきます。もちろん食べても大丈夫です。  はちみつは非常に高い粘度のため、気泡は割れて消えることがありません。はちみつの種類によっても気泡の出来やすさは違ってきます。また弊社の湯煎は決して高い温度で行わないため、気泡ができると瓶詰めと同時に入りやすくなります。 詳しくはコチラ また、はちみつに発生する泡には発酵によるものもあります。 詳しくはコチラ   Q.はちみつは冷蔵庫に入れなくても大丈夫でしょうか? A.冷蔵保管は必要ありません。...

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TAB1 TAB2 TAB3 タブ1の内容 タブ1のコンテンツが表示されます。クリックで他のタブに切り替わります。 タブ2の内容 タブ2のコンテンツです。フェードイン/アウトのアニメーション付きです。 タブ3の内容 タブ3のコンテンツになります。シンプルで使いやすいデザインです。   Q.山田さんのはちみつは「純粋」「天然」ですか? A.原材料名の表記に「はちみつ(産地)」だけ記載してあるものはすべて純粋であり天然です。弊社のはちみつは加工品以外、国産、海外産含め「純粋」であり「天然」です。創業時より変わりません。 また行政が定めた表示制度では「はちみつ」以外の原材料、添加物を使用した場合、それら詳細の記載が必要になります。弊社はそれに準じた表示(原料原産地表示)を行っており、原材料名は「はちみつ」とだけ。よって名称も「はちみつ」だけです。もとより、はちみつは「純粋」で「天然」なので特に枕詞はつけておりません。  (過去に全国はちみつ公正取引協議会の管轄において、はちみつを使った多様の加工製品を流通させるにあたり、はちみつ類の表示に関する公正競争規約のもと、はちみつ製品の定義(名称の分類)が設けられました。現在、規約の定義が変わりましたが「純粋」という言葉は定義ではなく、商品名として形容表現に近いです。ちなみに一般社団法人日本養蜂協会では「天然」がこれにあたります。   Q.白い沈殿物はカビでしょうか? A.はちみつが結晶したものです。白い沈殿物はカビではありません。もちろん食べても大丈夫です。  主成分の一つブドウ糖には結晶化する性質があります。日数の経過で進行します。容器の底部に沈んだ結晶は、徐々に容器全体に広がっていきます。またカビは性質上はちみつ内部には発生しません。 詳しくはコチラ 詳しくはコチラ   Q.はちみつの表面や容器の淵で白く浮いているものはなに? A.はちみつをろ過した際にできる細かい気泡が、瓶詰した後に層となって見えるものです。瓶詰めすると時間の経過ではちみつの表面に浮いてきます。もちろん食べても大丈夫です。  はちみつは非常に高い粘度のため、気泡は割れて消えることがありません。はちみつの種類によっても気泡の出来やすさは違ってきます。また弊社の湯煎は決して高い温度で行わないため、気泡ができると瓶詰めと同時に入りやすくなります。 詳しくはコチラ また、はちみつに発生する泡には発酵によるものもあります。 詳しくはコチラ   Q.はちみつは冷蔵庫に入れなくても大丈夫でしょうか? A.冷蔵保管は必要ありません。...

はちみつを瓶詰めするために

はちみつを瓶詰めするために

長いので目次。 はじめに ろ過 湯煎と温度 気泡と糖度 加熱と非加熱について 最後に 1,はじめに はちみつは科学工場で人工的に合成されたり、天を仰いで魔法を唱えたらポンと現れるものでもありません。言葉にするまでもなくもともとは、はちみつはミツバチのご飯です。我々ヒトが勝手に横から拝借しているに過ぎません。そのミツバチは山野の茂みの中、風雨に晒された巣箱を寝床に活動します。つまり自然の中です。 蜂を飼育する以上、ミツバチをはじめ巣箱の管理こそ人の手が必要ですが、はちみつが自然のままであることが第一に。瓶詰めの作業はあまり人の手が加わらないようシンプルな工程を心がけます。 唯一、人工的な作業を挙げえるとするならば「ろ過」です。 元気に育つことを願って。行政によるミツバチの生育監査の様子。 2,ろ過 自然の中に置かれた巣箱はいろいろな不純物に晒されることになります。販売されるはちみつに入っていて良いのは「はちみつ(当たり前)」と「花粉※1」くらい。他に入るのは植物の一部、巣の一部、時にはミツバチの一部。本来これらもはちみつの一部と考えたいくらいです。 しかし採蜜時には燻煙器をはじめ保管用の一斗缶※2まで様々な養蜂具に囲まれ、巣枠や巣箱の一部、木片や金属片、環境によっては硬い鉱物やミツバチ以外の虫が混入する恐れがあります。ろ過をするのは、異物混入を防ぐための衛生上の都合です。ここに国産も海外産も変わりはありません。 燻煙器(上)と濾し器(下) 一般的に採蜜時には一度、ザルのような粗いろ過が行われます。遠心分離機にかけられたはちみつを吐出口から流す際に行うのが一般的です。目に見える程度の大きさのものはここで取り除くことができます。もちろんこの時点で瓶詰めすることも可能ですが、製品として販売するためのはちみつは、丁寧なろ過を行うため、清掃された屋内の作業場で行います。そしてろ過と併せて瓶詰め作業も行います。 ※1、国によっては花粉が無い方が良いとされます。日本やヨーロッパでは花粉ははちみつの一部として考えられており、どちらが正しいかは意見が様々です。 ※2、食品保管用にコーティング加工済みスチール製の缶です。 一斗缶。昔からお付き合いある東北の養蜂家さん宅にて。 3,湯煎と温度 ろ過について説明する際、必ずセットで説明するのが「湯煎」です。言葉は分けましたが作業をする当事者としてはほとんど、同じ作業です。湯煎をするのはろ過をするためという意味です。 はちみつは非常に粘度が高い食品です。求めが無ければザルのようなろ過でも済ませられますが、使用するろ過機器のメッシュ目開き※3では、湯煎をして粘度を下げないとろ過できません。特に弊社では金属片の混入を予防するため、強力な磁気を帯びたマグネットを併用します。完全な液状である必要はないものの、粘度が低い状態でなければマグネットが機能しません。何より一番大きな理由は、結晶(固形化)してしまったはちみつはろ過機器を通らず、びん詰すらできなくなってしまうからです。そのための湯煎です。 これら異物混入予防に使用する機器について、それ自身が欠損等で混入物とならないよう十分な管理を行います。異物の巻き込みによって機器の損傷に繋がらないよう、保全の観点からもろ過は大変重要です。 タンク型のろ過機器で異物や結晶の程度が確認できます。 湯煎は採蜜時に使用した一斗缶のまま行います。大きめのお風呂(温水槽)に浸すくらいに考えてください。弊社では作業前日の深夜0:00前後から水張りを開始します。一斗缶の半分ほど浸るように水量を調整し、翌朝の開封時に中心温度50℃くらいになるよう温度を調整します。50℃くらいないと結晶は溶けないという意味です。ちなみに一斗缶を缶上部まで浸すことはしません。底部からゆっくり時間をかければ結晶は十分溶けます(たまに頑固な奴もいますが…)。 開封のために一斗缶を引き上げると、湯の体積が減り、一斗缶が浸かる表面積は小さくなっていきます。よってはちみつが過度に温められることはありません。 湯張り(0:00)を始めて開封前(8:30)の湯煎温度とはちみつ温度。 湯煎時間や湯煎温度は、はちみつの状態も加味し、夏季や冬季によっても調整します。 はちみつの主成分である糖は比熱が低い物質といわれます。単純に考えれば水より温まり易いはずなのですが、はちみつは事情が違います。密度(質量※4)そのものが大きく、非常に高い粘度になるため、対流(循環)も起きづらく、なかなか水と同じようには温まりません。特に結晶が進んだ状態では吸熱スピード※4も遅くなります。はちみつは「熱しづらく、冷めづらい」のが特徴です。よって...

はちみつを瓶詰めするために

長いので目次。 はじめに ろ過 湯煎と温度 気泡と糖度 加熱と非加熱について 最後に 1,はじめに はちみつは科学工場で人工的に合成されたり、天を仰いで魔法を唱えたらポンと現れるものでもありません。言葉にするまでもなくもともとは、はちみつはミツバチのご飯です。我々ヒトが勝手に横から拝借しているに過ぎません。そのミツバチは山野の茂みの中、風雨に晒された巣箱を寝床に活動します。つまり自然の中です。 蜂を飼育する以上、ミツバチをはじめ巣箱の管理こそ人の手が必要ですが、はちみつが自然のままであることが第一に。瓶詰めの作業はあまり人の手が加わらないようシンプルな工程を心がけます。 唯一、人工的な作業を挙げえるとするならば「ろ過」です。 元気に育つことを願って。行政によるミツバチの生育監査の様子。 2,ろ過 自然の中に置かれた巣箱はいろいろな不純物に晒されることになります。販売されるはちみつに入っていて良いのは「はちみつ(当たり前)」と「花粉※1」くらい。他に入るのは植物の一部、巣の一部、時にはミツバチの一部。本来これらもはちみつの一部と考えたいくらいです。 しかし採蜜時には燻煙器をはじめ保管用の一斗缶※2まで様々な養蜂具に囲まれ、巣枠や巣箱の一部、木片や金属片、環境によっては硬い鉱物やミツバチ以外の虫が混入する恐れがあります。ろ過をするのは、異物混入を防ぐための衛生上の都合です。ここに国産も海外産も変わりはありません。 燻煙器(上)と濾し器(下) 一般的に採蜜時には一度、ザルのような粗いろ過が行われます。遠心分離機にかけられたはちみつを吐出口から流す際に行うのが一般的です。目に見える程度の大きさのものはここで取り除くことができます。もちろんこの時点で瓶詰めすることも可能ですが、製品として販売するためのはちみつは、丁寧なろ過を行うため、清掃された屋内の作業場で行います。そしてろ過と併せて瓶詰め作業も行います。 ※1、国によっては花粉が無い方が良いとされます。日本やヨーロッパでは花粉ははちみつの一部として考えられており、どちらが正しいかは意見が様々です。 ※2、食品保管用にコーティング加工済みスチール製の缶です。 一斗缶。昔からお付き合いある東北の養蜂家さん宅にて。 3,湯煎と温度 ろ過について説明する際、必ずセットで説明するのが「湯煎」です。言葉は分けましたが作業をする当事者としてはほとんど、同じ作業です。湯煎をするのはろ過をするためという意味です。 はちみつは非常に粘度が高い食品です。求めが無ければザルのようなろ過でも済ませられますが、使用するろ過機器のメッシュ目開き※3では、湯煎をして粘度を下げないとろ過できません。特に弊社では金属片の混入を予防するため、強力な磁気を帯びたマグネットを併用します。完全な液状である必要はないものの、粘度が低い状態でなければマグネットが機能しません。何より一番大きな理由は、結晶(固形化)してしまったはちみつはろ過機器を通らず、びん詰すらできなくなってしまうからです。そのための湯煎です。 これら異物混入予防に使用する機器について、それ自身が欠損等で混入物とならないよう十分な管理を行います。異物の巻き込みによって機器の損傷に繋がらないよう、保全の観点からもろ過は大変重要です。 タンク型のろ過機器で異物や結晶の程度が確認できます。 湯煎は採蜜時に使用した一斗缶のまま行います。大きめのお風呂(温水槽)に浸すくらいに考えてください。弊社では作業前日の深夜0:00前後から水張りを開始します。一斗缶の半分ほど浸るように水量を調整し、翌朝の開封時に中心温度50℃くらいになるよう温度を調整します。50℃くらいないと結晶は溶けないという意味です。ちなみに一斗缶を缶上部まで浸すことはしません。底部からゆっくり時間をかければ結晶は十分溶けます(たまに頑固な奴もいますが…)。 開封のために一斗缶を引き上げると、湯の体積が減り、一斗缶が浸かる表面積は小さくなっていきます。よってはちみつが過度に温められることはありません。 湯張り(0:00)を始めて開封前(8:30)の湯煎温度とはちみつ温度。 湯煎時間や湯煎温度は、はちみつの状態も加味し、夏季や冬季によっても調整します。 はちみつの主成分である糖は比熱が低い物質といわれます。単純に考えれば水より温まり易いはずなのですが、はちみつは事情が違います。密度(質量※4)そのものが大きく、非常に高い粘度になるため、対流(循環)も起きづらく、なかなか水と同じようには温まりません。特に結晶が進んだ状態では吸熱スピード※4も遅くなります。はちみつは「熱しづらく、冷めづらい」のが特徴です。よって...

結晶のこと

結晶のこと

目次。 初めに 結晶は食べられる? 結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ 結晶の溶かし方 結晶サンプル集 1,初めに 利用者様から、はちみつが「白くなった」「固まってしまった」そんな声をしばしばいただきます。それははちみつが「結晶化」している状態です。 結晶で知られるのは雪の結晶ですが、真冬の寒空で空気中の微粒子を核として、その周りを水蒸気が低温で固まっていくと大きな結晶となって落ちてきます。それが「雪」です。 はちみつでも似た事象として、はちみつに含まれる細かい微粒子(多くが塵や埃、花粉など)を核として、はちみつの主成分の一つであるブドウ糖が結晶を形作っていきます。はちみつの場合、最初は小さな結晶が、容器の底でどんどん大きくなり、やがて容器全体に広がっていきます。これが「白く」「固まって」見えるわけです。 様々な結晶。  ポイント① 結晶化は核となる微粒子が必要。 はちみつが結晶するのは、はちみつに含まれるブドウ糖が結晶する性質があるため。 雪と同様、冷たい空気に触れると起こりやすい。 ※はちみつの結晶は一般的に15℃前後、それを下回る温度の空気に触れると進行しやすくなると言われます。体感的に冬場の外気ですが、夏場でも屋内の空調の冷気、極端な寒暖差にさらされたり、また、はちみつの結晶に限ったことでは無いそうですが機械的な振動が結晶化を促進するといわれています。(目に見えない分子の世界の話なのでここでは触れません。)   2,結晶は食べても大丈夫? 結晶ですが「カビ」と誤解される方がいらっしゃいます。結晶が進行していく過程が、菌糸が伸びる様子と似ているからだと思います。またフサフサしているような結晶もあるためなおさらです。しかしそれらは全く異なる物質です。わかりやすい見分け方は、カビは主に食材の表面に発生しますが、結晶ははちみつ内部に発生します。カビは空気がないと発生しませんが、結晶は必要ありません。微粒子が沈んでいるからです。もし箸や匙などで結晶を取り出す機会があるならば、一度、結晶の硬さを確かめてみると良いと思います。(例えるものとして語弊があるかもしれませんが、小さな金平糖みたいなかんじです。) 取り出したはちみつの結晶。  ポイント② 結晶ははじめはちみつ内部、いわゆる底部に見られる。 カビは柔らかく、結晶は硬い。 ※結晶がはちみつの表面から発生するケースとして、表面で層となった細かい気泡を核に発生します。正しくは泡に引っ張られた花粉のような微粒子か、細かすぎる気泡です。   3,結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ 結晶は様々な条件の下に起こります。同年同時期に採集したはちみつでもすぐに結晶するものもあれば、ゆっくり結晶するものもあります。 その中で進行具合に影響するものを挙げるならばはちみつに含まれる「ブドウ糖」と「果糖」の割合です。はちみつは先に触れた自然に結晶する性質があるブドウ糖に加え、自然には結晶しない果糖で多くを占めています。つまり果糖の量が多いはちみつほど結晶しづらいはちみつと言えます。 ついでに付け加えれば、結晶の形は核のとなる物質の違い、蜜源植物の違い、花粉の形や大きさ(気泡を含む)で変わります。つまり核となる物質が多くても結晶は早く起きます。  ポイント③...

結晶のこと

目次。 初めに 結晶は食べられる? 結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ 結晶の溶かし方 結晶サンプル集 1,初めに 利用者様から、はちみつが「白くなった」「固まってしまった」そんな声をしばしばいただきます。それははちみつが「結晶化」している状態です。 結晶で知られるのは雪の結晶ですが、真冬の寒空で空気中の微粒子を核として、その周りを水蒸気が低温で固まっていくと大きな結晶となって落ちてきます。それが「雪」です。 はちみつでも似た事象として、はちみつに含まれる細かい微粒子(多くが塵や埃、花粉など)を核として、はちみつの主成分の一つであるブドウ糖が結晶を形作っていきます。はちみつの場合、最初は小さな結晶が、容器の底でどんどん大きくなり、やがて容器全体に広がっていきます。これが「白く」「固まって」見えるわけです。 様々な結晶。  ポイント① 結晶化は核となる微粒子が必要。 はちみつが結晶するのは、はちみつに含まれるブドウ糖が結晶する性質があるため。 雪と同様、冷たい空気に触れると起こりやすい。 ※はちみつの結晶は一般的に15℃前後、それを下回る温度の空気に触れると進行しやすくなると言われます。体感的に冬場の外気ですが、夏場でも屋内の空調の冷気、極端な寒暖差にさらされたり、また、はちみつの結晶に限ったことでは無いそうですが機械的な振動が結晶化を促進するといわれています。(目に見えない分子の世界の話なのでここでは触れません。)   2,結晶は食べても大丈夫? 結晶ですが「カビ」と誤解される方がいらっしゃいます。結晶が進行していく過程が、菌糸が伸びる様子と似ているからだと思います。またフサフサしているような結晶もあるためなおさらです。しかしそれらは全く異なる物質です。わかりやすい見分け方は、カビは主に食材の表面に発生しますが、結晶ははちみつ内部に発生します。カビは空気がないと発生しませんが、結晶は必要ありません。微粒子が沈んでいるからです。もし箸や匙などで結晶を取り出す機会があるならば、一度、結晶の硬さを確かめてみると良いと思います。(例えるものとして語弊があるかもしれませんが、小さな金平糖みたいなかんじです。) 取り出したはちみつの結晶。  ポイント② 結晶ははじめはちみつ内部、いわゆる底部に見られる。 カビは柔らかく、結晶は硬い。 ※結晶がはちみつの表面から発生するケースとして、表面で層となった細かい気泡を核に発生します。正しくは泡に引っ張られた花粉のような微粒子か、細かすぎる気泡です。   3,結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ 結晶は様々な条件の下に起こります。同年同時期に採集したはちみつでもすぐに結晶するものもあれば、ゆっくり結晶するものもあります。 その中で進行具合に影響するものを挙げるならばはちみつに含まれる「ブドウ糖」と「果糖」の割合です。はちみつは先に触れた自然に結晶する性質があるブドウ糖に加え、自然には結晶しない果糖で多くを占めています。つまり果糖の量が多いはちみつほど結晶しづらいはちみつと言えます。 ついでに付け加えれば、結晶の形は核のとなる物質の違い、蜜源植物の違い、花粉の形や大きさ(気泡を含む)で変わります。つまり核となる物質が多くても結晶は早く起きます。  ポイント③...

発酵のこと

発酵のこと

発酵とは はちみつには天然由来の微生物が生きています。 しかしはちみつのような高い糖濃度と、低い水分濃度の環境下で微生物は活動することができません。そんな中でも高い糖濃度に耐性を持った酵母菌がいます。発酵はこの酵母菌が活動するときにおこる現象です。はちみつが発酵すると成分にも変化が起こりますますが最初に現れる変化は見た目です。  変化1.はちみつは発酵する過程で炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。(画像??瓶詰め時にできる泡と、発酵の泡の違いを併せて)   最初はブクブクとした泡がはちみつ内に発生します。密閉された容器では蓋を開けた際に「ブシュ‼」っと音がします。この発酵はいわゆるアルコール発酵※1と呼ばれるものではちみつに占める糖(特にブドウ糖)を発酵させる現象です。成分の変化で起こることは、糖が減少し、アミノ酸とアルコールが増加します。(他の成分にも影響しますが微量のためここでは省きます。)これらの加減はミツバチの種類や蜜源植物の違い、酵母菌の働き方の違いで変わってきます。そして成分の変化によって現れる違いは風味です。  変化2.なんとも酸っぱい香りがただよう。口にした人によってはアルコールを感じる。   風味は良くも悪くもといったところでしょうか。アミノ酸は旨味の成分なんていわれますが人によって好き嫌いが分かれるところでもあります。独特な風味は発酵食品の特徴ともいえますが、はちみつに関して知られるのはちみつ酒(Mead:ミードと呼ばれる)でこの発酵を利用したものです。(画像) ※1.一般的に微生物は空気があるところで活動します。しかし酵母菌は空気がないところでも活動(嫌気性呼吸)できます。空気が無いはちみつ内で、なるべく居心地の良い空気を作り出そうとします。これが炭酸ガスであり、副産物がアルコールです。   発酵が進む条件 本来、はちみつは発酵しづらいものです。長期保存が可能な理由そのままです。ただ「する」ではなく、「進む」と書いたのは、はちみつは発酵食品として分類はされませんが、酵母菌が存在することが当たり前であり、いつ、どこで発酵するかは、はちみつの成分もとより日数の経過をはじめ、保存状態、環境によっても多大な影響を受けてしまうからです。 条件は目安であり、文字や記号でくっきり線引きできるものではありませんが発酵「する」「しない」の二択で答えるならば、はちみつは発酵「する」食べ物です。(結晶する、しない同様の話です。) 条件は長期保存の理由の逆パターンと考えてください。発酵すること=微生物が活動することと同義と考え、要因として大きいものから順にあげていきます。はちみつの成分についてのページと重複する内容がふくまれますが併せてご覧ください。  条件1.水分が多い。(糖度が低い。)   はちみつは水分の多かった花蜜が、水分の少ないドロドロの液状とも、固形とも言い難い特殊な状態に変わったものです。採蜜の現場では水分が少なくなって蜜蓋がかかったはちみつを採集します。この時、目安になるのが糖度※2です。糖度にして78度以上あると水分が少ないはちみつとされます。国産と海外産では目安の糖度が違うのですが、日本をはじめ、開花期や訪花時の天候不順が続いたり、雨季があるような湿潤な環境では糖度が安定しないことがあります。発酵に限らず長期保存が可能になる目安の一つです。 水分が多いとなぜ発酵が進むかというと、酵母菌をはじめ一般的な微生物は水分があるところを好んで活動を始めるからです。よって水で希釈するとほぼ必ず発酵します。水分を含んだ果実や野菜を漬け込んでも同様です。はちみつを花蜜に戻してしまうイメージです。 ※2.糖度とは、糖の水溶液としての糖濃度を示すものです。Brix屈折計を用いて計測します。  条件2.保管時の温度が高い。   はちみつは常温で保存できます。常温といっても夏季と冬季で事情が変わります。昨今、夏季は30度を超える暑い日が続きます。一般的に酵母菌が活動する最適温度は30度~35度と言われ、夏場の空調の効いた屋内でも直射日光の当たらない冷暗所で保管すると良いです。逆に冬季の寒い気温では結晶が起こりやすくなります。  おまけ条件.容器の半分くらい結晶したもの。 おまけ条件と書きましたが、稀に見かけるケースだからです。 結晶が始まると、徐々に微量な水分を押し出す形で進行します。相対的に結晶の層(水分が減った層)と、はちみつの層(水分が増えてしまった層)に分かれたように考えられます。分離とは言わないまでも水分が移動してきたはちみつの層が、上記の条件に当てはまりやすくなり発酵する場合があります。日数次第と、酵母菌の気分次第でしょうか。画像(炭酸ガスと一緒に結晶が浮いたもの。)   発酵は不良品か? はちみつが自然の産物である以上、発酵もまた自然の産物です。よって不良品ではありません。飼育するミツバチの種類※3によっても、採れるはちみつの水分量が変わってきます。発酵することを前提としたはちみつと、発酵しないことを前提としたはちみつでは賞味期限も違います。(場合によっては消費期限が必要です。) 問題は多くのはちみつが、人工的に流通させる必要があるうえ、表示を含めた制度、販売の制度上、発酵したはちみつに関しては不良品として扱われます。時間が経過して過度に発酵が進んだものは、炭酸ガスにより密閉容器の蓋を押し上げるほど膨張し、圧力によってはガラス容器などが破裂することがあるので注意が必要です。また、発酵は名称表記にある「はちみつ」とは違う物質、別の何かに変えてしまいます。いわゆる量販店や小売店でこういったはちみつはほとんど見かけません。よって...

発酵のこと

発酵とは はちみつには天然由来の微生物が生きています。 しかしはちみつのような高い糖濃度と、低い水分濃度の環境下で微生物は活動することができません。そんな中でも高い糖濃度に耐性を持った酵母菌がいます。発酵はこの酵母菌が活動するときにおこる現象です。はちみつが発酵すると成分にも変化が起こりますますが最初に現れる変化は見た目です。  変化1.はちみつは発酵する過程で炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。(画像??瓶詰め時にできる泡と、発酵の泡の違いを併せて)   最初はブクブクとした泡がはちみつ内に発生します。密閉された容器では蓋を開けた際に「ブシュ‼」っと音がします。この発酵はいわゆるアルコール発酵※1と呼ばれるものではちみつに占める糖(特にブドウ糖)を発酵させる現象です。成分の変化で起こることは、糖が減少し、アミノ酸とアルコールが増加します。(他の成分にも影響しますが微量のためここでは省きます。)これらの加減はミツバチの種類や蜜源植物の違い、酵母菌の働き方の違いで変わってきます。そして成分の変化によって現れる違いは風味です。  変化2.なんとも酸っぱい香りがただよう。口にした人によってはアルコールを感じる。   風味は良くも悪くもといったところでしょうか。アミノ酸は旨味の成分なんていわれますが人によって好き嫌いが分かれるところでもあります。独特な風味は発酵食品の特徴ともいえますが、はちみつに関して知られるのはちみつ酒(Mead:ミードと呼ばれる)でこの発酵を利用したものです。(画像) ※1.一般的に微生物は空気があるところで活動します。しかし酵母菌は空気がないところでも活動(嫌気性呼吸)できます。空気が無いはちみつ内で、なるべく居心地の良い空気を作り出そうとします。これが炭酸ガスであり、副産物がアルコールです。   発酵が進む条件 本来、はちみつは発酵しづらいものです。長期保存が可能な理由そのままです。ただ「する」ではなく、「進む」と書いたのは、はちみつは発酵食品として分類はされませんが、酵母菌が存在することが当たり前であり、いつ、どこで発酵するかは、はちみつの成分もとより日数の経過をはじめ、保存状態、環境によっても多大な影響を受けてしまうからです。 条件は目安であり、文字や記号でくっきり線引きできるものではありませんが発酵「する」「しない」の二択で答えるならば、はちみつは発酵「する」食べ物です。(結晶する、しない同様の話です。) 条件は長期保存の理由の逆パターンと考えてください。発酵すること=微生物が活動することと同義と考え、要因として大きいものから順にあげていきます。はちみつの成分についてのページと重複する内容がふくまれますが併せてご覧ください。  条件1.水分が多い。(糖度が低い。)   はちみつは水分の多かった花蜜が、水分の少ないドロドロの液状とも、固形とも言い難い特殊な状態に変わったものです。採蜜の現場では水分が少なくなって蜜蓋がかかったはちみつを採集します。この時、目安になるのが糖度※2です。糖度にして78度以上あると水分が少ないはちみつとされます。国産と海外産では目安の糖度が違うのですが、日本をはじめ、開花期や訪花時の天候不順が続いたり、雨季があるような湿潤な環境では糖度が安定しないことがあります。発酵に限らず長期保存が可能になる目安の一つです。 水分が多いとなぜ発酵が進むかというと、酵母菌をはじめ一般的な微生物は水分があるところを好んで活動を始めるからです。よって水で希釈するとほぼ必ず発酵します。水分を含んだ果実や野菜を漬け込んでも同様です。はちみつを花蜜に戻してしまうイメージです。 ※2.糖度とは、糖の水溶液としての糖濃度を示すものです。Brix屈折計を用いて計測します。  条件2.保管時の温度が高い。   はちみつは常温で保存できます。常温といっても夏季と冬季で事情が変わります。昨今、夏季は30度を超える暑い日が続きます。一般的に酵母菌が活動する最適温度は30度~35度と言われ、夏場の空調の効いた屋内でも直射日光の当たらない冷暗所で保管すると良いです。逆に冬季の寒い気温では結晶が起こりやすくなります。  おまけ条件.容器の半分くらい結晶したもの。 おまけ条件と書きましたが、稀に見かけるケースだからです。 結晶が始まると、徐々に微量な水分を押し出す形で進行します。相対的に結晶の層(水分が減った層)と、はちみつの層(水分が増えてしまった層)に分かれたように考えられます。分離とは言わないまでも水分が移動してきたはちみつの層が、上記の条件に当てはまりやすくなり発酵する場合があります。日数次第と、酵母菌の気分次第でしょうか。画像(炭酸ガスと一緒に結晶が浮いたもの。)   発酵は不良品か? はちみつが自然の産物である以上、発酵もまた自然の産物です。よって不良品ではありません。飼育するミツバチの種類※3によっても、採れるはちみつの水分量が変わってきます。発酵することを前提としたはちみつと、発酵しないことを前提としたはちみつでは賞味期限も違います。(場合によっては消費期限が必要です。) 問題は多くのはちみつが、人工的に流通させる必要があるうえ、表示を含めた制度、販売の制度上、発酵したはちみつに関しては不良品として扱われます。時間が経過して過度に発酵が進んだものは、炭酸ガスにより密閉容器の蓋を押し上げるほど膨張し、圧力によってはガラス容器などが破裂することがあるので注意が必要です。また、発酵は名称表記にある「はちみつ」とは違う物質、別の何かに変えてしまいます。いわゆる量販店や小売店でこういったはちみつはほとんど見かけません。よって...

はちみつのトロリ画像

はちみつの成分のこと

長いので目次。 なぜ?はちみつは腐らないのか 微生物と水分 水分と糖 花蜜と酵素 酵素とバランス はちみつと保存 最後に   1,なぜ?はちみつは腐らないのか? 一般的にはちみつは「腐らない」「保存が効く」と言われます。その理由をここでははちみつの成分と併せてちょこっと専門的にお答えします。その前に上の問を別の表現に変えます。   ~はちみつになる前の、花の蜜は、腐らないのか?~   答え。腐ります。 花蜜の保存環境にもよりますが、腐ってしまう花の蜜を、腐らない花の蜜に変える生き物がいて、それがミツバチであり、その蜜を私たちは「はちみつ」と呼んでいます。 花蜜の成分は大雑把にいうと水分です(他の農産物と同じくらいに考えてください)。そして主に糖(ショ糖※1)です。蜜源となる植物によって含有量が違います。アミノ酸や香気成分も含みますがここでは省きます。 一方、はちみつの成分の75~80%は糖です。詳しくは果糖※2とブドウ糖※2と、微量の「オリゴ糖(少糖類)※3」や「ショ糖(花蜜由来)」です。もっと細かいのですがここでは省きます。 大まかな割合は果糖35~40%くらい、ブドウ糖30~35%くらい、オリゴ糖やショ糖は、果糖とブドウ糖になれなかった残りの5~15%くらいに考えます。実際の割合は蜜源植物によって変わるので明記が難しいところでもあります。簡潔に言えば100gあたり80gくらいは糖です。そして残りの20gくらいが水分です。(本当に簡潔に書きました。) 三大栄養素である炭水化物は、一般的に「糖質+食物繊維」のことを指します。しかしはちみつにはこの食物繊維が含まれません。よってはちみつの成分でいう炭水化物とは糖質と同じと考えて差し支えありません。 つまり、はちみつは少量の水分の中に、高濃度の糖が溶けた状態です。花蜜のそれとは逆になっているくらいに考えてください。でもなんで?これで「腐らない」「保存が効く」のでしょうか。 ※1、ブドウ糖と果糖が1個ずつ付いた糖。二糖類ともいう。 ※2、それぞれ単糖と呼ばれます。小腸で負担なく吸収される代表的な糖の一種です。 ※3、少糖類ともいう。糖分子の組み合わせで様々な名称がつけられるので、それらの総称くらいに考えてください。オリゴ糖という名前の糖はありません。(単花蜜と呼べないものを百花蜜と呼ぶみたいな…単糖と呼べないものをまとめてオリゴ糖と呼んでみた感じでしょうか。)   2,微生物と水分 はちみつに限らず、一般的に食品の腐敗を起こすのは微生物の仕業になります。微生物とは細菌やカビのことです。細菌もカビもどちらも性質の違う微生物ですが、見た目や風味を損なうだけではなく、人体に悪影響を及ぼす毒素を出すという意味で、ここでは「微生物が増える=腐敗」と定義します。 (腐るって線引きが難しいのですが、腐ってるくらいがちょうどいい食材、またはそれが好きな嗜好の方は世間話くらいに聞いてください。) 一般的な微生物は、活動、繁殖するのに水分を必要とします。はちみつの水分量はミツバチの働きによって少なくなった状態なので、これだけでも細菌やカビが生育しづらいといいたいところですが、水分量以上にもっと大事な要素があります。 ムズカシイ言葉ですが「水分活性の高低」で表現します。微生物はわがままな奴で、欲しいのは単なる水ではなく、誰の目も気にせず自由に浴びれる水(自由水という)を欲しがっているくらいに考えてください。この自由水の量を示すのが成分活性です。多くの微生物は自由水がないと身動き取れません。...

はちみつの成分のこと

長いので目次。 なぜ?はちみつは腐らないのか 微生物と水分 水分と糖 花蜜と酵素 酵素とバランス はちみつと保存 最後に   1,なぜ?はちみつは腐らないのか? 一般的にはちみつは「腐らない」「保存が効く」と言われます。その理由をここでははちみつの成分と併せてちょこっと専門的にお答えします。その前に上の問を別の表現に変えます。   ~はちみつになる前の、花の蜜は、腐らないのか?~   答え。腐ります。 花蜜の保存環境にもよりますが、腐ってしまう花の蜜を、腐らない花の蜜に変える生き物がいて、それがミツバチであり、その蜜を私たちは「はちみつ」と呼んでいます。 花蜜の成分は大雑把にいうと水分です(他の農産物と同じくらいに考えてください)。そして主に糖(ショ糖※1)です。蜜源となる植物によって含有量が違います。アミノ酸や香気成分も含みますがここでは省きます。 一方、はちみつの成分の75~80%は糖です。詳しくは果糖※2とブドウ糖※2と、微量の「オリゴ糖(少糖類)※3」や「ショ糖(花蜜由来)」です。もっと細かいのですがここでは省きます。 大まかな割合は果糖35~40%くらい、ブドウ糖30~35%くらい、オリゴ糖やショ糖は、果糖とブドウ糖になれなかった残りの5~15%くらいに考えます。実際の割合は蜜源植物によって変わるので明記が難しいところでもあります。簡潔に言えば100gあたり80gくらいは糖です。そして残りの20gくらいが水分です。(本当に簡潔に書きました。) 三大栄養素である炭水化物は、一般的に「糖質+食物繊維」のことを指します。しかしはちみつにはこの食物繊維が含まれません。よってはちみつの成分でいう炭水化物とは糖質と同じと考えて差し支えありません。 つまり、はちみつは少量の水分の中に、高濃度の糖が溶けた状態です。花蜜のそれとは逆になっているくらいに考えてください。でもなんで?これで「腐らない」「保存が効く」のでしょうか。 ※1、ブドウ糖と果糖が1個ずつ付いた糖。二糖類ともいう。 ※2、それぞれ単糖と呼ばれます。小腸で負担なく吸収される代表的な糖の一種です。 ※3、少糖類ともいう。糖分子の組み合わせで様々な名称がつけられるので、それらの総称くらいに考えてください。オリゴ糖という名前の糖はありません。(単花蜜と呼べないものを百花蜜と呼ぶみたいな…単糖と呼べないものをまとめてオリゴ糖と呼んでみた感じでしょうか。)   2,微生物と水分 はちみつに限らず、一般的に食品の腐敗を起こすのは微生物の仕業になります。微生物とは細菌やカビのことです。細菌もカビもどちらも性質の違う微生物ですが、見た目や風味を損なうだけではなく、人体に悪影響を及ぼす毒素を出すという意味で、ここでは「微生物が増える=腐敗」と定義します。 (腐るって線引きが難しいのですが、腐ってるくらいがちょうどいい食材、またはそれが好きな嗜好の方は世間話くらいに聞いてください。) 一般的な微生物は、活動、繁殖するのに水分を必要とします。はちみつの水分量はミツバチの働きによって少なくなった状態なので、これだけでも細菌やカビが生育しづらいといいたいところですが、水分量以上にもっと大事な要素があります。 ムズカシイ言葉ですが「水分活性の高低」で表現します。微生物はわがままな奴で、欲しいのは単なる水ではなく、誰の目も気にせず自由に浴びれる水(自由水という)を欲しがっているくらいに考えてください。この自由水の量を示すのが成分活性です。多くの微生物は自由水がないと身動き取れません。...

蜜蓋とミツバチ

はちみつとミツバチのこと。

はちみつはミツバチが花蜜を巣に持ち帰り、巣房の中でゆっくりと熟成された天然の甘味です。巣の中では働きバチたちが羽を奮わせるようにして空気を一定の温度に保ち、花蜜の水分を飛ばし、ミツバチが持つ特有の酵素が加わると、長期保存が可能なまでに熟成されます。また花が咲かない冬は巣の中で春を待ちます。秋に蓄えられるはちみつは、ミツバチにとって冬を越すための大事な保存食になるわけです。 中央にいる比較的身体の大きい(長い)蜂が女王バチ ミツバチは熟成されたはちみつに蜜蓋(巣を作るロウの成分。蜜ろうと呼ぶことが多い)で蓋をしますが、我々はこの蓋を丁寧に切り剥がして、遠心分離機を回して巣からはちみつを採集します。なぜ遠心分離機を使うかというと、巣房を壊さないよう形を残した巣を返してあげたいからです。ミツバチにとって巣作りはとても大事な作業です。人間はその邪魔をしたり、ましてや壊してはいけません。巣房は貯蔵庫であり、赤ちゃんミツバチの揺り籠でもあるからです。 蜜蓋を剥がす様子。 後から採蜜しようとミツバチから隔離した巣枠あるある?既に結晶してます。 働きバチの多くは雌です。またその寿命は30~40日ほどと言われます。若いミツバチは幼虫の世話やはちみつ作りといった巣の中で働き、生後2~3週間経過した壮年のミツバチが巣から飛び立ち、空を駆け、花々を巡り、はちみつの素となる花蜜を持ち帰ります。ちなみに寒い冬の間、巣箱の中でじっと春の訪れを待っている間は長生きすることができます。先にも述べたミツバチがはちみつを保存食として集める習性は、蜜源植物がおかれた環境をはじめ、まさに厳しい冬を生き抜くための知恵といっても過言ではありません。 花粉団子とミツバチとちょっと終わりかけの花 はちみつの多くは蜜源植物の名前、花の名前を元に命名されています。1種類の花の名前が付けられたはちみつを単花蜜といい、1種類の花の名前が付けられないはちみつを主に百花蜜と呼んだりします。なぜ、1種類の花だけのはちみつが採れるかというと、ミツバチの習性を利用しています。多くはセイヨウミツバチ特有の訪花行動としても知られますが、同じ女王バチから生まれた兄弟…姉妹バチ達は、皆がそろって同じ花に飛んでいく習性があるからです。中には独特な舞い方で、蜜源となる花の在り処を仲間に教えるための、さながら御輿の上の旗振り役もいたりします。 ちなみにですが。雄バチもいます...が働きません(繁殖期のみです)。雄バチは女王バチとの交尾のためだけに存在し、交尾を終えると巣から追い出されます。夏の炎天下の下、飛ぶことなくトボトボ暑そうに歩いているミツバチは、追い出された雄バチの可能性があるのでちょっと、優しく見守っていただければ幸いです。 また女王バチは働きバチと比べて長く生きます。寿命が2年とも3年とも言われ、暖かくてお花が咲いている時期は毎日のように卵を産み、その数1000個以上といわれ、ほぼ女王バチ自身の体重と同じです。そのパワーの源がローヤルゼリーと言われます。 女王バチは家族が多くなると、いっぱいになった巣の半数におよぶ蜂をお供として引き連れて巣立っていきます。巣立った先で新たらしい城を作るわけです。これを巣別れとか分蜂(ぶんぽう)と言ったりします。そして女王バチが巣立った古城では、歴代の名家を治める新たな女王が誕生します。 高い枝木に分蜂すると結構大変 四季折々の花から。一匹のミツバチがその短い生涯をかけて集めることのできる蜜の量は、わずかティースプーン1杯(5mlほど)にも満たないといわれ大変希少です。その一生で訪れる花は少なくとも15000を超え、飛行距離は2500キロメートルにも及ぶといわれます。 蜜蓋に舌をのばすミツバチ

はちみつとミツバチのこと。

はちみつはミツバチが花蜜を巣に持ち帰り、巣房の中でゆっくりと熟成された天然の甘味です。巣の中では働きバチたちが羽を奮わせるようにして空気を一定の温度に保ち、花蜜の水分を飛ばし、ミツバチが持つ特有の酵素が加わると、長期保存が可能なまでに熟成されます。また花が咲かない冬は巣の中で春を待ちます。秋に蓄えられるはちみつは、ミツバチにとって冬を越すための大事な保存食になるわけです。 中央にいる比較的身体の大きい(長い)蜂が女王バチ ミツバチは熟成されたはちみつに蜜蓋(巣を作るロウの成分。蜜ろうと呼ぶことが多い)で蓋をしますが、我々はこの蓋を丁寧に切り剥がして、遠心分離機を回して巣からはちみつを採集します。なぜ遠心分離機を使うかというと、巣房を壊さないよう形を残した巣を返してあげたいからです。ミツバチにとって巣作りはとても大事な作業です。人間はその邪魔をしたり、ましてや壊してはいけません。巣房は貯蔵庫であり、赤ちゃんミツバチの揺り籠でもあるからです。 蜜蓋を剥がす様子。 後から採蜜しようとミツバチから隔離した巣枠あるある?既に結晶してます。 働きバチの多くは雌です。またその寿命は30~40日ほどと言われます。若いミツバチは幼虫の世話やはちみつ作りといった巣の中で働き、生後2~3週間経過した壮年のミツバチが巣から飛び立ち、空を駆け、花々を巡り、はちみつの素となる花蜜を持ち帰ります。ちなみに寒い冬の間、巣箱の中でじっと春の訪れを待っている間は長生きすることができます。先にも述べたミツバチがはちみつを保存食として集める習性は、蜜源植物がおかれた環境をはじめ、まさに厳しい冬を生き抜くための知恵といっても過言ではありません。 花粉団子とミツバチとちょっと終わりかけの花 はちみつの多くは蜜源植物の名前、花の名前を元に命名されています。1種類の花の名前が付けられたはちみつを単花蜜といい、1種類の花の名前が付けられないはちみつを主に百花蜜と呼んだりします。なぜ、1種類の花だけのはちみつが採れるかというと、ミツバチの習性を利用しています。多くはセイヨウミツバチ特有の訪花行動としても知られますが、同じ女王バチから生まれた兄弟…姉妹バチ達は、皆がそろって同じ花に飛んでいく習性があるからです。中には独特な舞い方で、蜜源となる花の在り処を仲間に教えるための、さながら御輿の上の旗振り役もいたりします。 ちなみにですが。雄バチもいます...が働きません(繁殖期のみです)。雄バチは女王バチとの交尾のためだけに存在し、交尾を終えると巣から追い出されます。夏の炎天下の下、飛ぶことなくトボトボ暑そうに歩いているミツバチは、追い出された雄バチの可能性があるのでちょっと、優しく見守っていただければ幸いです。 また女王バチは働きバチと比べて長く生きます。寿命が2年とも3年とも言われ、暖かくてお花が咲いている時期は毎日のように卵を産み、その数1000個以上といわれ、ほぼ女王バチ自身の体重と同じです。そのパワーの源がローヤルゼリーと言われます。 女王バチは家族が多くなると、いっぱいになった巣の半数におよぶ蜂をお供として引き連れて巣立っていきます。巣立った先で新たらしい城を作るわけです。これを巣別れとか分蜂(ぶんぽう)と言ったりします。そして女王バチが巣立った古城では、歴代の名家を治める新たな女王が誕生します。 高い枝木に分蜂すると結構大変 四季折々の花から。一匹のミツバチがその短い生涯をかけて集めることのできる蜜の量は、わずかティースプーン1杯(5mlほど)にも満たないといわれ大変希少です。その一生で訪れる花は少なくとも15000を超え、飛行距離は2500キロメートルにも及ぶといわれます。 蜜蓋に舌をのばすミツバチ