目次。
- 初めに
- 結晶は食べられる?
- 結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ
- 結晶の溶かし方
- 結晶サンプル集
1,初めに
利用者様から、はちみつが「白くなった」「固まってしまった」そんな声をしばしばいただきます。それははちみつが「結晶化」している状態です。
結晶で知られるのは雪の結晶ですが、真冬の寒空で空気中の微粒子を核として、その周りを水蒸気が低温で固まっていくと大きな結晶となって落ちてきます。それが「雪」です。
はちみつでも似た事象として、はちみつに含まれる細かい微粒子(多くが塵や埃、花粉など)を核として、はちみつの主成分の一つであるブドウ糖が結晶を形作っていきます。はちみつの場合、最初は小さな結晶が、容器の底でどんどん大きくなり、やがて容器全体に広がっていきます。これが「白く」「固まって」見えるわけです。
様々な結晶。
ポイント①
※はちみつの結晶は一般的に15℃前後、それを下回る温度の空気に触れると進行しやすくなると言われます。体感的に冬場の外気ですが、夏場でも屋内の空調の冷気、極端な寒暖差にさらされたり、また、はちみつの結晶に限ったことでは無いそうですが機械的な振動が結晶化を促進するといわれています。(目に見えない分子の世界の話なのでここでは触れません。) |
2,結晶は食べても大丈夫?
結晶ですが「カビ」と誤解される方がいらっしゃいます。結晶が進行していく過程が、菌糸が伸びる様子と似ているからだと思います。またフサフサしているような結晶もあるためなおさらです。しかしそれらは全く異なる物質です。わかりやすい見分け方は、カビは主に食材の表面に発生しますが、結晶ははちみつ内部に発生します。カビは空気がないと発生しませんが、結晶は必要ありません。微粒子が沈んでいるからです。もし箸や匙などで結晶を取り出す機会があるならば、一度、結晶の硬さを確かめてみると良いと思います。(例えるものとして語弊があるかもしれませんが、小さな金平糖みたいなかんじです。)

取り出したはちみつの結晶。
ポイント②
※結晶がはちみつの表面から発生するケースとして、表面で層となった細かい気泡を核に発生します。正しくは泡に引っ張られた花粉のような微粒子か、細かすぎる気泡です。 |
3,結晶しやすいはちみつと、しづらいはちみつ
結晶は様々な条件の下に起こります。同年同時期に採集したはちみつでもすぐに結晶するものもあれば、ゆっくり結晶するものもあります。
その中で進行具合に影響するものを挙げるならばはちみつに含まれる「ブドウ糖」と「果糖」の割合です。はちみつは先に触れた自然に結晶する性質があるブドウ糖に加え、自然には結晶しない果糖で多くを占めています。つまり果糖の量が多いはちみつほど結晶しづらいはちみつと言えます。
ついでに付け加えれば、結晶の形は核のとなる物質の違い、蜜源植物の違い、花粉の形や大きさ(気泡を含む)で変わります。つまり核となる物質が多くても結晶は早く起きます。
ポイント③
※糖についてはそれらの量が同等になるものも存在します。場合によっては採集年、時期、時間の経過によっても割合の過多に違いが出ることがあります。少なくとも時間を経る過程で、はちみつは遅かれ早かれいづれ結晶するものとご理解ください。 |
4,結晶の溶かし方
はちみつの結晶は食べても問題ありません。中には結晶したはちみつを好んでお求めになるご利用者もいます。どうぞ結晶の舌触り、歯触りも含めてはちみつをお楽しみください。
しかしながら、ご利用にあたって使いづらく感じることもしばしば。ここでは結晶したはちみつの溶かす方法として湯煎をご紹介します。また湯煎する際のポイントをいくつかご紹介します。(非加熱はちみつをお求めの方は調理用の温度計の使用をおすすめします。)
湯煎する際のポイント
50度くらいに温めたら、後は余熱で溶けるのを待つくらいが丁度良いと思います。 しかし、溶け残った結晶は少しでも残ると再び結晶を始めます。 どうぞお早めにお召し上がりください。 |
5,結晶のサンプル集
結晶とはどんなものかサンプル画像を掲載します。お手元のはちみつがどれかにか当てはるかと思うので是非ご参考ください。結晶については、Q&A,はちみつの成分のことも併せてご覧ください。
容器の底シリーズ





















